2026年01月15日更新 - あわら温泉 マンスリーレポート

あわら温泉2025-12月次レポート。総売上前年同月比: +3.4%

summary

簡易版レポート

📊 当月の売上:前年同月比好調です。総売上は1,061,472,782円で前年同月比+3.4%と伸長しており、予約件数も+3.4%と連動して増加しています。 一方で人泊は-1.2%と微減しているため、単価と泊数の増加で売上を押し上げた構図です。

🏨 稼働状況:室稼働率(OCC)は普通OCCは52.8%→53.5%(+1.3%)とわずかに改善しつつ、ADRは108,788円→111,207円(+2.2%)、RevPARも57,489円→59,446円(+3.4%)と収益性指標はいずれも改善しています。 稼働の伸びは小さいものの、単価コントロールによりRevPARを底上げできている点が特徴です。

🗾 地域別動向:主要送客地域はその他・北陸・近畿その他が売上の29.0%と最大セグメントで、北陸20.1%、近畿17.7%を合わせると約7割を占めており、近隣・不明居住地を中心とした需要構造が明確です。 関東11.9%、東海10.7%と遠方圏からも一定の送客があり、広域からの集客基盤は維持されています。

📈 移動年計トレンド:長期トレンドは横ばい傾向。売上移動年計は2025-03の10,391.1百万円をピークに足元は10,057.0百万円とやや反落していますが、大きな落ち込みではなく高水準を維持しています。 OCC移動年計は50.0%→51.9%へ改善する一方、ADR移動年計は一時的に弱含みながら直近は92,154円と持ち直し、RevPARも47,836円と緩やかな回復基調です。

💡 総括当月は「人泊微減・単価・泊数増」で売上を伸ばした月であり、価格戦略と在庫コントロールの効果が表れています。 一方で人数ベースの需要が伸び悩んでいるため、今後は送客地域別プロモーションと平日・閑散期の稼働底上げが重要なテーマとなります。


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詳細版レポート

1. エグゼクティブサマリー

📊 総売上:前年同月比 +3.4%

2025年12月の総売上は1,061,472,782円で前年同月比+3.4%と堅調に増加しました。 予約件数は+3.4%と売上と同率で伸びた一方、人泊は-1.2%と微減しており、1予約あたり人数の小型化が進んでいる可能性があります。 OCCは52.8%→53.5%(+1.3%)、ADRは108,788円→111,207円(+2.2%)と、単価改善を伴った稼働微増によりRevPARは+3.4%とバランスよく改善しました。 泊数・室数も増加しており、在庫販売日数の確保と価格コントロールが両立できた月と言えます。


2. 組合データ(10施設)KPI分析

指標 2024年12月 2025年12月 前年同月比
総売上 1,026,523,969円 1,061,472,782円 +3.4%
予約件数 7,677件 7,935件 +3.4%
人泊(人数) 32,697人 32,293人 -1.2%
室数 9,436室 9,545室 +1.2%
泊数 8,098泊 8,428泊 +4.1%
室稼働率(OCC) 52.8% 53.5% +1.3%
平均客室単価(ADR) 108,788円 111,207円 +2.2%
RevPAR 57,489円 59,446円 +3.4%

KPI分析コメント

  • 総売上は+3.4%と増加しており、インフレ環境下でも堅調な伸びを確保できています。絶対額としても10施設合計で約10.6億円と、年末需要の厚みが引き続き確認できます。
  • 予約件数は+3.4%と増加している一方、人泊は-1.2%と減少しており、1件あたりの人数が減っている(少人数化・カップル旅行の比率増など)のが示唆されます。室数は+1.2%、泊数は+4.1%と増えているため、延べ販売日数(泊数)を増やし、1室あたりの利用人数が軽くなったイメージです。
  • OCCは52.8%→53.5%(+1.3%)と小幅に改善し、ADRは+2.2%と上昇、結果としてRevPARは+3.4%と売上と同率で伸長しています。特にRevPARの+3.4%改善は、稼働と単価の両面から効率的に収益性を高められていることを示す重要な変化です。
  • 人数ベースでは伸び悩みが見られる一方で、室数・泊数・単価を組み合わせることで売上を伸ばしており、在庫コントロールと価格戦略の巧拙が結果に強く影響している状況です。

3. 売上増減の要因整理

当月は、

室稼働率 平均客室単価 RevPAR
改善(+1.3%) 上昇(+2.2%) 向上(+3.4%)

売上は、OCCの緩やかな改善(+1.3%)に加え、ADR上昇(+2.2%)によるRevPAR向上(+3.4%)が主因となって増加していると整理できます。 一方で人泊が-1.2%と減少しているため、「客数拡大」ではなく「単価・在庫の質的改善」で売上を伸ばした構図であり、今後は人数ベースの需要喚起とのバランスが重要になります。


4. 分析と考察

売上・数量の動向
予約件数は+3.4%、泊数は+4.1%、室数は+1.2%といずれも増加しており、販売機会の拡大と滞在日数の増加が売上増に寄与しています。 泊数が室数より高い成長率で増えていることから、1予約あたりの連泊日数がやや伸びている可能性があります。これにより、同じ稼働水準でも清掃頻度や人件費効率の観点ではプラス要因となり得ます。

一方、人泊(人数)は-1.2%と減少しており、1室あたりの平均利用人数が減少する方向にシフトしていると考えられます。 家族・グループから少人数旅行への構成変化や、シニア・カップル主体の需要が強まっていることが背景として想定されます。売上面では単価上昇でカバーできているものの、館内消費(飲食・土産など)への影響や、客単価構成の変化については別途モニタリングが必要です。

人数構成の変化
人泊が減少する中で室数・泊数が増加していることは、「少人数・長めの滞在」が増えていることを示唆します。これは客室あたりの利用人数減により騒音・トラブルリスクが低下し、サービスの質を維持しやすい一方で、宴会需要や大口団体に依存した売上が縮小している可能性があります。 あわら温泉としては、個人・少人数向けの商品造成(連泊プラン、ワーケーション、静養需要)を強化すると同時に、平日や閑散期における団体・法人利用の再開拓が収益多様化の鍵となります。


5. 次月への示唆

01 価格戦略・商品設計の最適化

  • 単価は前年同月比+2.2%と上昇しており、過度なディスカウントに頼らず売上を伸ばせているため、「高付加価値プラン」「少人数プレミアムプラン」の強化が有効です。
  • 特に人泊が減少傾向であることから、1人あたり単価を引き上げられる客室グレードアップ、夕食グレードアップ、館内利用クレジット付きプランなど、体験価値向上型の追加販売を意識した商品開発が重要です。

02 需要喚起・集客チャネルの強化

  • 人泊が-1.2%と減少しているため、次月以降は人数ベースの需要を増やす施策が必要です。具体的には、近隣(北陸・近畿)向けに「送迎付きグループプラン」や「多世代ファミリープラン」を打ち出し、1予約あたり人数の回復を狙うことが有効です。
  • OTA・自社サイト双方で、平日限定の連泊割・ワーケーションプランを強化し、泊数増加の流れを維持しながら、稼働が弱い曜日の底上げを図ることが望まれます。

03 稼働・オペレーションの最適化

  • OCCは53.5%とやや余力がある水準であり、繁忙日の高単価販売と閑散日の底上げを組み合わせることで、RevPARのさらなる改善余地があります。
  • 連泊傾向が強まっている可能性を踏まえ、清掃の簡略化オプション(タオル交換のみプランなど)を導入・拡充することで、労務負荷を抑えつつ顧客満足を維持する運用も検討価値があります。また、少人数利用を前提としたレストラン動線・提供スピードの最適化により、客単価アップと顧客体験向上の両立を図ることができます。

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地域別売上構成

地域 売上 構成比 順位
その他 307,709,138円 29.0% 1位
北陸 213,809,811円 20.1% 2位
近畿 187,391,416円 17.7% 3位
関東 125,811,228円 11.9% 4位
東海 113,477,353円 10.7% 5位
中国 44,706,619円 4.2% 6位
四国 43,082,178円 4.1% 7位
甲信越 14,047,121円 1.3% 8位
九州・沖縄 8,141,410円 0.8% 9位
東北 2,406,298円 0.2% 10位

地域別分析コメント

  • 北陸20.1%、近畿17.7%、関東11.9%、東海10.7%が主要4地域であり、北陸・近畿・東海という近隣圏で約半分、関東を加えると約6割強を占める「近距離+主要大都市圏」に偏った構成となっています。 近隣からの週末・短期滞在と、関東からの休前日+連泊といった典型的な温泉地需要が中心と見られます。
  • 「その他」が29.0%と最大セグメントであることから、OTA経由などで居住地が取得できていない予約が多い、もしくは法人・団体予約などで所在地が明確でないケースが多いと推察されます。この比率が高いと地域別マーケティング精度が下がるため、予約時の住所情報取得ルールの統一や、システム設定の見直しが重要な課題です。
  • 今後は北陸・近畿に対してはリピーター向けの会員プログラムや交通付きパッケージを強化し、関東・東海に対しては連泊・ハイエンドプランの訴求を強めることで、地域ごとの需要特性を活かした単価向上が期待できます。

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7-1. 総売上:移動年計

売上移動年計(百万円)
2024-12 9,786.6
2025-01 9,958.3
2025-02 10,167.3
2025-03 10,391.1
2025-04 10,217.3
2025-05 10,282.2
2025-06 10,227.2
2025-07 10,187.7
2025-08 10,153.2
2025-09 10,045.2
2025-10 9,981.9
2025-11 10,022.1
2025-12 10,057.0

総売上移動年計コメント
売上移動年計は2025-03の10,391.1百万円をピークに、その後はやや反落しつつも2025-12時点で10,057.0百万円と1,000億円規模を維持しており、長期的には高水準での横ばい推移と評価できます。 足元数か月は微増傾向に転じているため、急激な需要減退は見られず、安定した市場環境が続いていると考えられます。


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7-2. 客室稼働率(OCC):移動年計

OCC移動年計(%)
2024-12 50.0
2025-01 50.4
2025-02 51.1
2025-03 52.2
2025-04 51.7
2025-05 52.3
2025-06 52.4
2025-07 52.5
2025-08 52.6
2025-09 52.4
2025-10 52.1
2025-11 51.9
2025-12 51.9

OCC移動年計コメント
OCC移動年計は50.0%から最大52.6%まで改善した後、足元は51.9%で落ち着いており、稼働率は50%台前半で安定した状態が続いています。 需要が急伸しているわけではないものの、季節変動をならしたベースでは堅調な稼働を維持しており、今後はこの水準を保ちつつ高単価日のミックスをどう高めるかがポイントです。


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7-3. 平均客室単価(ADR):移動年計

ADR移動年計(円)
2024-12 92,756
2025-01 93,730
2025-02 94,603
2025-03 94,688
2025-04 94,046
2025-05 93,461
2025-06 92,785
2025-07 92,338
2025-08 91,815
2025-09 91,236
2025-10 91,107
2025-11 91,925
2025-12 92,154

ADR移動年計コメント
ADR移動年計は2025-03の94,688円を高値に、その後はやや下落したものの、2025-12には92,154円と直近で持ち直しつつあります。 大きな単価崩れは起きておらず、若干の調整を挟みながら9.1〜9.4万円レンジで推移しているため、価格水準としては安定していると評価できます。


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7-4. RevPAR:移動年計

RevPAR移動年計(円)
2024-12 46,422
2025-01 47,237
2025-02 48,361
2025-03 49,425
2025-04 48,598
2025-05 48,907
2025-06 48,645
2025-07 48,457
2025-08 48,293
2025-09 47,779
2025-10 47,478
2025-11 47,670
2025-12 47,836

RevPAR移動年計コメント
RevPAR移動年計は2024-12の46,422円から2025-03の49,425円まで改善した後、わずかに反落しつつも直近2025-12時点で47,836円と、前年比ではプラス水準を維持しています。 稼働と単価がともに大きく崩れていないため、収益性は中長期的に安定して推移していると見てよい状況です。


移動年計の総括
4指標を総合すると、売上・OCC・ADR・RevPARはいずれも2025-03前後をピークにわずかな調整を経ながらも、高水準で横ばい推移しており、「急成長から安定フェーズ」への移行が示唆されます。 今後は稼働率の大幅な上振れを狙うよりも、高単価日のミックス最適化と、利益率の高い販路・商品へのシフトによって、安定したRevPARをどれだけ高収益につなげられるかが重要なテーマとなります。


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8-1. 総売上:月別推移

総売上(百万円)
2024-12 1,026.5
2025-01 778.9
2025-02 730.7
2025-03 933.6
2025-04 679.2
2025-05 740.4
2025-06 547.5
2025-07 715.4
2025-08 1,171.7
2025-09 629.2
2025-10 853.2
2025-11 1,215.6
2025-12 1,061.5

総売上月別推移コメント
単月売上は8月(1,171.7百万円)と11月(1,215.6百万円)が突出して高く、次いで12月(1,061.5百万円)、3月(933.6百万円)が続くなど、夏休み・秋の行楽期・年末・春休みといった繁忙期に売上が集中する典型的な温泉地の季節パターンが表れています。 一方で4〜6月・9月は600〜700百万円台と相対的に弱く、これらの肩シーズンに向けたイベント造成や法人需要の開拓が年間売上の底上げ余地となります。


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8-2. 客室稼働率(OCC):月別推移

OCC(%)
2024-12 52.8
2025-01 43.6
2025-02 47.9
2025-03 55.3
2025-04 49.9
2025-05 48.9
2025-06 43.1
2025-07 48.7
2025-08 62.3
2025-09 47.3
2025-10 57.7
2025-11 64.4
2025-12 53.5

OCC月別推移コメント
OCCは11月64.4%、8月62.3%、10月57.7%、3月55.3%と、秋・夏・春休み・年末に高いピークがあり、1月・6月は40%前後と大きな季節変動が確認できます。 特に11月は年間トップの稼働を示しており、この時期の高単価販売と、1月・6月といった低稼働月のテコ入れが年間稼働改善の鍵となります。


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8-3. 平均客室単価(ADR):月別推移

ADR(円)
2024-12 108,788
2025-01 100,122
2025-02 94,546
2025-03 94,508
2025-04 78,783
2025-05 84,836
2025-06 73,510
2025-07 82,261
2025-08 105,376
2025-09 77,052
2025-10 82,851
2025-11 109,283
2025-12 111,207

ADR月別推移コメント
ADRは11月(109,283円)と12月(111,207円)、8月(105,376円)が高水準で、繁忙期にしっかりと単価プレミアムを確保できています。 逆に6月(73,510円)、4月(78,783円)、9月(77,052円)は単価が低く、閑散期の集客のために値下げが行われていると推察されるため、この期間に付加価値型プランをどこまで導入できるかが単価底上げのポイントとなります。


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8-4. RevPAR:月別推移

RevPAR(円)
2024-12 57,489
2025-01 43,624
2025-02 45,309
2025-03 52,287
2025-04 39,305
2025-05 41,468
2025-06 31,684
2025-07 40,066
2025-08 65,618
2025-09 36,413
2025-10 47,782
2025-11 70,345
2025-12 59,446

RevPAR月別推移コメント
RevPARは11月(70,345円)と8月(65,618円)、12月(59,446円)、3月(52,287円)が高く、OCCとADRの両方が高まる繁忙期に収益性が最大化されています。 一方で6月(31,684円)、9月(36,413円)、4月(39,305円)はRevPARが低く、稼働・単価ともに弱いことから、これらの月に対する集中的な需要創出と価格戦略の見直しが重要です。


月別推移の総括
4指標の月別推移を総合すると、夏(8月)・秋(10〜11月)・年末(12月)・春休み(3月)に売上・OCC・ADR・RevPARが同時に高まる「典型的な季節偏重型」の構造が明確であり、肩シーズン・オフシーズンの収益改善余地が大きいと評価できます。 移動年計では安定推移している一方、単月では月間RevPARが2倍程度まで振れることから、年間収益の多くが限られた数か月に依存しており、リスク分散の観点からも閑散期の新規需要開拓(イベント、長期滞在、法人研修・会議利用など)が最重要テーマとなります。

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